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ローマ 「遺跡巡りの旅」 その4 ~ナポリ編~

旅の四日目です。今日はローマを離れて、ナポリへの日帰り旅行です。

実はナポリに行くかどうかは、旅の直前まで悩んでいました。ローマの治安が良くないという事は以前も書いたのですが、ナポリはローマに輪をかけて治安が悪いそうです。日本からのツアーでは、基本的にナポリ観光は「車窓見学」だそうです。つまり、危険なので車から降ろさないということです。

迷う私は、『ナポリを見て死ね!』という言葉を思い出しました。

そこまで言われているほどの町なら、やはり行かなければなりません!!
(それに、多いのはスリやひったくりの軽?犯罪で、凶悪犯罪はとても少ないそうです)

昨日のうちにテルミニ駅で、ナポリ行きのチケットを購入しておきました。私たちはイタリア語は全然できないのですが、自動券売機はヨーロッパ各国の言葉が選択できるので、英語を選んで購入しました。

朝7時半頃の特急の2等席に乗り込みました。とても古そうな機関車です。

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特急の席配置は3席×2の対面で、通路は真ん中ではなく片側の端にあります。
窓側の席には欧米人のカップルが座っています。非常に陽気な二人で、席に座るなり話しかけられました。

彼らはカナダから旅行に来ており、17日間でイタリアを周るそうです。私たちは一週間の旅だと言ったら、「短いね」と言われました。17日間なんてうらやましい限りです。

これから賑やかな道中になるのかと思いきや、「コロッセオで朝日を見たので眠い。ナポリに着いたら起こしてくれ」と言い残して、あっという高いびきです。

彼らが荷台に乗せたリュックサックから私の上に砂が落ちてきたところを見ると、昨夜はホテルに泊まらずコロッセオ周辺で夜を明かしたのではないかと思われます。豪快な人たちです。

2時間ほどで列車はナポリ駅に到着しました。駅の周辺には近代的な大きなビルが建っています。思えば、ローマは景観条例のようなものがあるのか、東京にあるようなビルは全然ありませんでした。

ナポリに着いたら、まずはバスと地下鉄の一日券を購入します。幸い地下鉄の乗り場近くにチケット売場を発見しました。さっそく購入します。

一日券は2枚で6.2ユーロです。10ユーロ札で払ったところ、おつりを数えながら返してくれました。妙に小さなコインが混ざっていると思いながらも、切符とおつりを受け取り、窓口を離れました。

しかし数えてみると、50セント足りません!!

これが噂のつり銭ごまかしかと思いました。どうしようかと思っていると、主人は「戻るぞ!」と強気です。それならと窓口に戻りました。もらったおつりを見せながら、日本語で「おつりが足りないんだけど」と言ったら、「おかしいなぁ」と言いながら(イタリア語なので想像ですが)、バレたらしょうがないかと渋々正しい金額を返してくれました。

恐るべしつり銭ごまかし!それにしても100円にも満たない金額をごまかして、どうするつもりなのでしょうか?

これが悪徳チケット売り場です。ナポリに行かれる際はご注意を!
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駅前広場からバスに乗って、目指すは『ヌオヴォ城』です。バスに乗って10分ほどで到着しました。

ヌオヴォ城は「新しい城」の意味で、13世紀にナポリ王カルロ1世が、建築したといわれています。正面に3つの円筒形の塔を持ち、2つの塔の間には白い凱旋門が建っています。

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内部はナポリ市の博物館になっていました。お城の上からナポリ港を眺めます。遠くにポンペイの悲劇で有名な、「ヴェスビオ火山」が見えます。手前には豪華客船が停泊しています。気分はまさに地中海です!!

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次は海岸沿いをサンタ・ルチア港へ歩きます。ナポリ民謡のサンタ・ルチアを思わず口ずさみます
このあたりは砂浜ではないですが、地元の人たちが海水浴を楽しんでいます。水着を持ってくれば良かったと後悔です。こののびのびとしたリゾート感、ローマとはまた違いますね。

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しばらく歩くと、『卵城』が見えてきました。

変わった名前ですが、ノルマン人がこの城を築くにあたって、基礎の中に卵を埋め込み、「卵が割れるとき、城はおろか、ナポリにまで危機が迫るだろう」と呪文をかけたことが城の名前の由来と言われています。

このあたりは、『ナポリ歴史地区』としてローマと並んで世界遺産に登録されています。

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この卵城は無料で開放されており、公園のようになっています。城の上からも素晴らしい眺めが広がっています。

ヴェスビオ火山の反対側の眺めです。こちらもいかにも地中海リゾートといった風景が広がっています。

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サンタ・ルチアを十分に楽しみました。そろそろお昼の時間です。やはりナポリに来たからには本場のピザを食べない手はありません。事前に調べておいた情報では、『ダ・ミケーレ』というピザ屋さんが美味しいそうです。

バスを乗りついて、ようやく『ダ・ミケーレ』に到着しました。お店の前はナポリっ子であふれています。

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入口で番号札をもらって、30分ほど待ったところで呼ばれました。満席で、みな美味しそうにピザを楽しんでいます。

このお店のピザは2種類のみです。マルゲリータとマリナーラ(トマトソース、にんにく、オレガノのシンプルな素材でチーズを使わないピザ)になります。サイズは大中と2種類ですが、中でも十分な大きさです。値段の方は1枚4ユーロと良心的な価格です。

我が家はマルゲリータとマリナーラの中と、ビールを注文しました。冷たいビールを飲みながら待っていると、いよいよピザが登場です!

こちらは定番のマルゲリータです。

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そしてこちらが、噂のマリナーラです。

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記事が薄いのにモチモチで、トマトソースが濃くって、こんなに美味しいピザは初めて食べました。
大感激です。本当に美味しいんです。回りのお客さんも美味しそうに嬉しそうに食べています。

この店は込み合うので、相席です。主人がトイレに立ったら、隣のイタリア人男性が話しかけてきました。
イタリア人は礼儀として女性には声をかけると聞いていたので、私も一度くらいは声がかかって良かったと思ってお話しました。主人も、「声がかかって安心したよ」と言ってました。ところが、私がトイレに立つと、今度は熱心に主人に話しかけています。どうやらイタリア人はおしゃべり好きな国民のようでした。

さて、あまり時間がなくなってきたので、最後の観光に行きたいと思います。さっき、海のほうから見たら丘の上に古いお城のようなものが見えていました。きっとそこからの眺めは素晴らしいことだろうと思ったのでした。

ガイドブックによると、その丘は、『ヴェメロの丘』といい、お城は『サンテルモ城』というようです。丘の上にはケーブルカーが通っていて、アクセスはよさそうです。

ダ・ミケーレからバスと地下鉄を乗り継ぎ、ケーブルカーの駅までやってきました。ここからは2駅で頂上です。

列車がやってきました。一瞬変わったケーブルカーだな、と思ったのですが、主人は迷わず乗り込みます。発車した後もトンネルを進み、一向に上に登る気配がありません。いくつかの駅を過ぎたあたりで、ようやく気が付きました。なぜだか分かりませんが、ケーブルカーじゃない普通の電車に乗ってしまったようです!?

反対向きの電車に乗って、ようやく出発点まで帰ってきました。改めて見ると、この線の脇に、ケーブルカーの駅が隠れていました。ずいぶん時間をロスしてしまいました。

こちらがケーブルカーです。誰がどう見ても、ケーブルカーはこうですよね。

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ケーブルカーの駅から10分弱歩いたところで、『サンテルモ城』に到着です。

サンテルモ城はナポリの町を見下ろすヴォメロの丘の上に建っています。フランス王室系のアンジュー家により1275年頃、初期の城郭が建築され、その後、アンジュー家により拡張されました。16世紀には、スペイン人がナポリを支配するところになり、星型の近代城郭へと改修されたそうです。いろんな国に転々と支配されてきた、ナポリの歴史を見続けてきたお城です。

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中には美術館も入っているのですが、乗り間違えで時間がなくなったため、屋上に上がって景色を眺めるだけにしました。

屋上からの景色です。手前にヌオヴォ城、遠くにヴェスビオ山が見えます。ここは本当に絶景です!!
この写真には写っていませんが、右手にはサンタ・ルチアと卵城が望めます。

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いつまでも感慨にふけってもいられません。6時24分の特急でローマに帰るつもりなのですが、ちょっと時間があやしくなってきました。ナポリ駅までの地下鉄も東京と違って本数もあまりなく、時間も適当なので心配です。

一気に丘を下り、地下鉄で6時頃にナポリ駅になんとか到着しました。ところが、直前だっため2等客席が売り切れになってしまいました。次の特急は一時間後なので、ちょっと贅沢ですが1等席に乗ることにしました。

ところがこれが大正解でした!千円弱の追加料金だったのですが、席は広くてソファーのようです。比較的空いていて、4人席に二人だったので、気分は走る応接室です。(ちょっとオーバーですが)
それにクーラーがしっかり効いていて、暮れてゆく車窓を楽しみながら快適な2時間でした。

そして、8時半頃に無事にローマに到着です。危険と思っていたナポリですが、ナポリの人は太陽のように明るくて、お釣りごまかし以外特に何も無く、終わってみるとこれまた楽しい旅になりました。

ちなみに、夕食はスーパーでサラダとビールとワインを買って、日本から持参したカップめんを頂きました。海外では時々無性に食べたくなるので、我が家は旅行の時は必ずカップめんや味噌汁を持参しているのです。日本で食べるよりも、ずっと美味しく感じるから不思議なものです。

さて早いもので、この旅もいよいよ明日が事実上の最終日です。

明日はローマ市内でショッピングをメインに旅の仕上げを行います!


本日の歩数:23,031歩
歩行距離:17.27km

つづく

『ダ・ミケーレ』のHP
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コメント

こんばんは!

「ナポリを見て…」。日本語には珍しい言い方ですね。和訳ならではといったところでしょうか。
お蔭様で珠玉の画像を見せていただきましたが、私はもう少し長生きしたいです(^^ゞ
海外旅行では様々な経験があるものですが、「つり銭ごまかし」は蒙御免ですよね(´・ω・`)
海外旅行にカップめんですか…確かに日本料理が懐かしくなりますよね(^_^)v

ナポリも良いですね

こんばんは。
ナポリはやはり綺麗な町のようですね?それにお城に興味を持ちました。子供の頃からお城の石垣の登りで遊んでいましたので、日本のお城だけでなく、世界のお城に興味があります。
それから、ポンペイにはいらっしゃらなかったのですね?考古学に興味がありますので・・・・。
それからピザが美味しそうなので、気になっています。

No title

おはようございます。

おぉ、ナポリですか!
とても景色のいいところのようで、ピザも美味しそう^^メモメモ

とにかく電車類の乗り継ぎは分かりにくく我が家は苦労しましたので、ふとかつさん旦那さんも間違われたのも分かるような気がします。
でもそれも良い思い出ですよね。

カップめんやみそ汁など持参すると小腹の空いた時にもわざわざ買い出しに行かなくて済むからいいですよね~、ましてやコンビニもないですし!

No title

そうそう旅には冒険が付き物。ビクビクしながら旅するのも意外と緊張感があって楽しい。
つり銭ごまかしだけで良かったですね。超ぼったくりもなく・・・
地中海って何て気分がよく素晴らしい眺めが多いのかしら。トルコ人がイタリアの海は汚いと言っておりましたが、なんの綺麗ですね。
ピッツァの生地が所々黒く焼けているのが本場っぽい。美味しそうだなぁ~。これはビールだわ。シンプルなのが一番難しく美味しいんだと思います。
何だか一緒に旅している気分で楽しい。
ハプニングも旅の醍醐味。良い思い出になるんですよね~。良い旅ですね~~。

Re: こんばんは!

黒田裕樹 様

こんばんは。ナポリは太陽がふりそそいでいて明るく美しい町でした。海辺に出るとリゾート感があって町ゆく人が陽気です!つり銭ごまかしも、ちゃんと申し出れば(日本語ですが)なんとかなるもんでした。海外では、普段食べないカップ麺や、カップ味噌汁が妙に美味しく感じてしまうのは、日本人だなぁとしみじみ思います。

Re: ナポリも良いですね

21世紀の浦島太郎 様

こんばんは。
ナポリの卵城の基礎の中に卵を埋め込んだ言い伝えがとても印象深く残っており、この言い伝えの背景を調べてみたいと思っています。
日程が短いので、残念ながらポンペイには行けませんでした。次は、南イタリアを旅したいのでその予定に組み込みたいです。
ナポリのピザは本当に美味しいです。はるばる訪れたかいがありました!

Re: No title

まーさく 様

こんばんは。
ナポリは駅に降りた時点でローマとは違う空気でした。何がって上手く説明できないのですがそう感じました。
電車とバス(特にバス)は難しいですが、使えるとこれほど便利なものはありませんよね!
ダミケーレのピザを食べることが出来ただけでもはるばる行ったかいがあるくらいの美味しさです。またイタリアを旅することがあれば、是非お試しください!!

Re: No title

サラーム様

こんばんは。旅ってちょっとした緊張感とスリルが非日常を演出してくれているのかもしれません。ガイドブック等で言われているような危険にあうこともありませんでしたよ。
サンタルチアもきれいでいたが、トルコの海は本当にきれいなんでしょうね。そんなところでのんびりリゾートしてみたいのもですが、貧乏性なのか、あちこち見て周りたくなってしまうんです。
ピザは本当に美味しかったです。この旅一番の美味しさです。これを食べに再訪出来るよう、頑張らなくっちゃ!

No title

ナポリ行ったんですね。治安が悪いとのことでパスしちゃいました。何事もなかったようで良かったですね。羨ましい限りです。 Y・K

Re: No title

Y・K 様
こんばんは。そうですか、パスされたんですね。私も到着するまでは治安が悪いという話にびくびくしていました。思い切って行って良かったです。

No title

こんばんは。

ナポリも行かれたのですね。
卵城からのナポリの景色最高ですよね。
トマトの本場だし、ピザもおいしいし、海風も気持ち良いし!

ところで、見覚えのある切符売り場なのですが・・・
私はかなり待たされた挙句、態度もひどかったので覚えています。
でも、一応鉄道なので、釣銭ごまかしではなく、単純に間違えたのかもしれませんね。
むこうの方は計算が苦手なので、小銭の多いお釣りだとよく間違えるのです。
しかもちゃんと確認しないし。そしてもらった方も確認しない(笑)
これはイタリアに限らずたまにありました。
個人でやっている怪しいお店だとわざとごまかす場合もあるし、
どっちにしても要確認ですよね(^^;)

Re: No title

ポケ 様

こんばんは。
ナポリはいいですね。なんだかローマとは空気が違ってました。
卵城から眺める景色は本当に良かったです。それからピザが美味しくって美味しくって忘れられません。必ず再訪したい町のひとつです。
ボッタクリで騒がれているイタリアですが、我家は明朗会計なお店ばかりで健全でした。
確かにお釣りって、日本だと確認しないですね。受け取ったままお財布に入れてしまいます。外国に行くと、数えなきゃって気になるのですが、なれない通貨(特に小額硬貨)は数えるのに時間がかかってしまいます。

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ふとかつ

Author:ふとかつ
平凡な日々を記録してして自分の変化を再発見したいと思いブログをはじめました。

大好きな旅行、お酒、美味しいもの、料理、主人の趣味に付合い始めた自転車でのポタリング、その他なんでも気になることを徒然なるままに書き留きめていきたいと思っています。

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