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ローマ 「遺跡巡りの旅」 その2

観光の二日目です。

今日は『ヴァチカン博物館』と『サン・ピエトロ大聖堂』を訪問します。

移動距離はたいしたことはないのですが、いずれも巨大な施設のため、実際歩く距離と時間は結構ありそうです。

ガイドブックによると、ヴァチカン博物館の入場は長蛇の列で、2時間待ちは当たり前だそうです。ローマの炎天下で待つのは避けたいので、朝一番で博物館に向かうことにします。

地下鉄のオッタヴィアーノ駅を降りて、人の流れについて歩きます。5分ほど歩いたところで、ヴァチカンの城壁に着きました。ここから角を曲がった先に入口があるのですが、すでに長い列ができています。

仕方なく並ぶことにしました。ラッキーなことに、午前中はこの列がずっと日陰になることに気が付きました。これならば、少々待つことになっても問題ありません。

周りは韓国からのツアーの方だらけです。少し前は海外に行けば日本人だらけだったのですが、すっかり今ではアジアンパワーの影に隠れてしまっています。

歩いていても、アニョハセヨ!、ニイハオ!と声を掛けられる回数が増えました。

意外なことに列はすいすいと進み、たった30分で入場することができました。

『ヴャチカン博物館』は、歴代の法王がその財力で集めた、その時代のプライベート・コレクションの集大成です。

いくつかの美術館や礼拝堂から構成され、なんと全長7km、総面積42,000㎡というから驚きです。細かく見ていくと、まる一日でも足りないといわれています。

私たちは、素直に本に従い「地球の歩き方コース」(所要3.5時間)で進むことにしました。

しばらく進んだ回廊に、「プリマ・ポルタのアウグストゥス」の大理石像がありました。

アウグストゥスといえば、この姿がお馴染ですね。それにしても、身に着けている布の部分が、とても石とは思えません。

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彫刻が飾られている「ピオ・クレメンティーノ美術館」に来ました。ここには有名な彫刻が多数展示されています。

こちらも教科書で有名な「ラオコーン」です。ものすごくリアルに作られています。

顔の表情をアップで撮ってみました。本当に生きているのではないかと思います。

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その後、いくつかの展示物を経て、「ラファエロの間」に着きました。

ここの壁には、ラファエロの手によるフレスコ画が描かれています。

署名の間の壁画、「アテネの学堂」です。

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この絵、どこかで見たような気がしました。気になったので、帰ってから調べたところ、先日の御茶ノ水界隈の散策の時に見つけた、東京医科歯科大学の校舎の大きな壁画に描かれていたもののオリジナルでした。

週末の「ぶらり散歩」と、この旅行の意外な接点に、ちょっと感動しました!

そして、いよいよメインの「システィーナ礼拝堂」に向かいます。

ミケランジェロによる大天井画と壁画で有名ですが、ここはさすがの私も知っていました。ずいぶん前に、テレビでシスティーナ礼拝堂の修復の特集番組を見たことがあったのです。

また、ローマ法王を選出する「コンクラーベ」が行われる会場でもあります。
礼拝堂の中は、絵を守るためか薄暗く、ものすごい人ごみです。壁沿いにはベンチがあったのですが、運よく座ることができました。これでじっくりと絵の鑑賞ができます。

もっとも有名な壁画、ミケランジェロの「最後の審判」です。(撮影禁止でした)
芸術はよく分からない私でも、この絵のすごさは伝わってきました。

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天井にも有名な「アダムの創造」や「楽園追放」などがあり、見上げていると首が痛くなってきました。
ミケランジェロはこの姿勢で4年間かけてこの天井画を描いたそうで、さぞかし大変だったことでしょう。(最後の審判は450日で完成したそうです)

座ってじっと眺めているうちに、30分以上経ったようです。まだまだ名残は尽きませんが、先に進むことにします。

この先は絵画館になります。ここにも有名な絵が沢山あったのですが、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵も一枚ありました。

「聖ヒエロニムス」という未完の大作です。

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ルネサンスの三大芸術家のうち、ミケランジェロやラファエロの作品は、このローマに多数あるようなのですが、ダヴィンチについてはこの絵しかなかったように思います。

ここヴァチカン博物館は本当に充実していました。芸術&歴史音痴の私でもすっかり夢中になってしまい、気が付いたらガイドブックどおりに3時間半はゆうに経っていました。

となるとお腹の方も空いてきました。この博物館にはセルフ方式のカフェテリアもありました。

ペンネアラビアータとナスの炒め物、それにビアーを頂きました。正直なところ、あまり期待していなかったのですが、意外にも美味しくて、大満足です。ちなみにこの「PERON」というビールはローマの地ビールです。

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ようやく博物館を後にして、いよいよ「サン・ピエトロ大聖堂」に向かいます。

博物館と大聖堂は隣接しているのですが、一度外に出て徒歩10分ほどで広場にでました。

『サン・ピエトロ大聖堂』は、カトリック教会の総本山で、規模、装飾ともに世界屈指の教会です。手前にはエジプトから運ばれたオベリスクが立っています。
また、ここは、ヴァチカン市国として、世界最小の独立国家でもあります。(入国審査はありませんが)

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いつもニュースで見るサン・ピエトロ広場は、数万の群集に埋め尽くされているのですが、宗教的な行事がない時は、比較的閑散としています。

広場の周りには直径240mの回廊があり、左右に2列、284本の柱が並んでいます。回廊の上には140もの、歴代法王や聖人の像が置かれています。

設置されている大型ビジョンがpanasonic製だったのが、ちょっぴり嬉しかったりもします。

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まず、大聖堂に入る前に、クーポラ(円天井)に登ることにしました。まずセキュリティチェックを受けた後、1時間近く待つことになりました。

一人7ユーロの料金を払い、エレベーターに乗ります。でも、エレベーターを降りた後でも300段以上の階段を登らなければ頂上には着けないそうです。昨日の観光で既に足にきていたので、かなり不安です。

エレベーターを降りて、スロープをしばらく登ったところで、クーポラの内側に出ました。聖堂の中の人々がすごく小さく見えました。こんなところに登れるとは驚きました。

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ここからが本番です。クーポラの形のため斜めになった壁沿いの階段をひたすら登ります。

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息を切らせて登りきると、ようやく頂上に到着です。素晴らしい眺めです!!

手前にサン・ピエトロ広場、大通りの向こうに(左側)、サンタンジェロ城が見えます。
周りは老若男女、みんな笑顔です。

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これが、ヴャチカン博物館の外観です。さすがに大きいです。これなら時間がかかるはずです。

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そして、大聖堂の中に下りてきました。クーポラを下から見上げます。周辺に小さく人が見える部分が、金網越しの写真を撮った場所で、てっぺんの丸い部分が頂上部になります。

よくもあんなところまで登ったものです・・・

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大聖堂の内部です。とにかく広い。そして荘厳な雰囲気です。
中央には高さ29mもあるベルニーニ作の「ブロンズの天蓋」があります。普通の教会には入りきれない大きさです。

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こちらには、ミケランジェロ作の、キリストの死を悼む聖母像、「ピエタ」がありました。見ているこちらまで悲しくなってくるような、素晴らしい作品です。

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ようやく大聖堂見学を終え、広場正面の道を5分ほど進みます。

『サンタンジェロ城』にやってきました。

ここはハドリアヌス帝が自分自身とその後のローマ皇帝の廟として建てた建物で、その後は要塞としても使用されてきました。

目の前のサンタンジェロ橋からの眺めが特に素晴らしく、映画の舞台としても有名です。

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今日も一気に観光したため、汗ダクでもうクタクタです。ここからバスに乗って、ホテルに戻りました。

夏のローマは日が暮れるのが8時過ぎで、日があるうちは炎天下で暑いのです。

クーラーの普及率が低いようで、電車やバスや街の商店など窓を開けて風を取り入れてます。
クーラーがあった場合でも設定温度が高く、環境に配慮したエコ!?なのです。

ただ、日が暮れると風も涼しく気温が下がり夜遊びには最適です。

ホテルでシャワーを浴びて一休みしてから、再びディナーに外出しました。

この日のディナーはホテルの近くでとることにしました。

歩き回っていると、日本人の店員さんに呼び止められ、そのまま入ることにしました。「リストランテ・トゥディーニ・ガブリエーレ&トモコ」という店です。

ここでは、茹で野菜と、カルボナーラ、それに白ワインを頂きました。
日本人(トモコさん)が経営されているということもあり、カルボナーラは日本で食べる味のままでした。

ワインですっかりいい気分になったところで二日目の観光は終了です。

主人の腰を心配していましたが、本人は歴史好きのため痛みより観光に夢中でなんとかなっています。
一安心といったところです。


本日の歩数:14,949歩
歩行距離:11.21km

つづく


リストランテ・トゥディーニ・ガブリエーレ&トモコのHP
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コメント

こんばんは!

石像も絵画もきめ細かいですねぇ。繊細な芸術の世界を垣間見た思いです。
でも個人的には好物であるナスの炒めものに目がいってしまいます。ゴメンナサイ!m(_ _)m

私のブログへの懇切なるコメント、有難うございました!(^o^)丿

初コメです。

はじめまして
ローマ旅行記拝見させて貰いました。
7月の下旬から伊渡しましたけど、
日にちに余裕がなく1日でローマ観光しました。
ローマは観る場所がいっぱいありすぎですよね。

また来年伊渡したいと計画をしてます。
またコメントさせてもらいます。

今回も楽しませて戴きました

お早う御座います。
いつも綺麗な写真で、有益な記事を拝見させて戴き有難う御座います。
今回も十二分に楽しませて戴きました。感想を書き込もうにも何から書けば良いのかが判らないほどです。
ところで、二日目はご主人様の腰のご様子も良かったようで安心致しました。せっかくのご旅行が苦痛を伴ったのでは、楽しみも半減しますから・・・・・。
これからの、記事を楽しみに致しております。宜しくお願い致します。

No title

これは確かに見応えがありますね。
ヴァチカンってどうしても抵抗を感じでしまうのですが(金持ち過ぎ!)、建築をはじめアート作品はたっぷり見せてもらいましょうって感じにはなりますわな、これでは。
ルーブルでも思ったのですが、本物がそのまま置かれていることに驚くのですが、ここもそのようですね。実物を目の前にする感動って、感動の仕方が違うと思いませんか?
ミケランジェロの天井画はやっぱり迫力が違うんだろうなぁ~。見てみたいっ!
あ~ん、ローマに行ってみたいっ!と思いました。

こんばんは

遅ればせながら、「おかえりなさい!!」。
天気が良いと景色も最高ですよね。
でも、今年は特にヨーロッパは猛暑だったようで、暑さお察しします。
ともあれ、イタリアの太陽満喫ですね。
この後もブログ更新楽しみにしています。

旦那様の腰は、成田着まで大丈夫だったのでしょうか。
私は飛行機が嫌いなんです。
エコノミーの長距離フライトは、腰、背中、肩に辛いです(;_;)
お大事に。

Re: こんばんは!

黒田裕樹 様

こんばんは。教科書に出ていた石像が歴史を越えて目の前にあると本当に感動しましたよ。
私は、芸術通ではないのですが、素人でも素晴らしいと素直に思えました。
カフェテリアの食事も、結構いけるんです。さすがはイタリアってところですかね!!

Re: 初コメです。

naonao 様

コメントありがとうございます。
これからよろしくお願いします。
ローマが見どころがたくさんありましたが、今回はローマ滞在のみでしたので、他の街にも行ってみたかったです。
nanaoさんは、時間をかけて旅をされていてうらやましい限りです。

Re: 今回も楽しませて戴きました

21世紀の浦島太郎 様

こんばんは。
いつもコメントを頂いてありがとうございます。読んでいただけていると思うと、とても嬉しいです。
バチカン博物館は芸術の宝庫でした。自分自身が芸術に疎いのが残念に思われました。
ご心配頂いた主人の腰も、なんとかなっています。若い頃にスポーツで痛めたのがきっかけですが、本人もうまくケガと付き合っていくコツを持っているようです。
21世紀の浦島太郎さんもお気をつけてくださいね。

Re: No title

サラーム 様

こんばんは。確かにあれだけの芸術品を集めてしまうのですから、並大抵の財力ではないですよね。そのくせ入場料は結構高いので、そっちで抵抗を感じる人も多いかもしれません。
とはいえ、やはりそれぞれの作品は素晴らしいものでした。
ルーブルには、私もずいぶん前にいったことがあります。前回は駆け足だったので、もう一度じっくり見てみたいと今は思います。
サラームさんも、機会があればローマに是非行ってみて下さいね!

Re: こんばんは

ポケ様

無事に帰ってまいりました。
あちらは確かに暑かったのですが、常に快晴だった事は幸いでした。
ポケさんの記事を参考に、いろいろ予習して行ったかいがありました。ありがとうございます。
飛行機については、行きは窓口でお願いして、足が伸ばせる最前列にしてもらいました。
主人はそれでだいぶ楽だったようですが、健康な私はさらに楽でした!
帰りの飛行機では、二人してずーっと寝ていたので、こちらも思ったほど大変ではありませんでした。
ご心配ありがとうございます。

No title

楽しそうですね。以前観光したことがあります。懐かしく記憶にふけりました。 Y・K

はじめまして。

お邪魔致します。
自分もローマ旅行記拝見させてもらってます。
我が家は5月に行ったのですが,すでに懐かし状態です^^;
続きの旅行記も楽しみにしています。
今後とも宜しくお願い致します。

Re: No title

Y・K 様

こんにちは。
ローマは景観を大切にしているので、Y・Kさんが行かれたときと変わってないでしょうね。
心配していた治安ですが、街中におまわりさんがいて悪者はいませんでしたよ。

Re: はじめまして。

まーさく 様

コメントありがとうございます。
旅行って帰ってくると、ずいぶん前のことに思えるから不思議ですよね。
まーさくさんのブログも拝見させていただきましたが、5月でも暑かったようですね。
旅行記をつけておくと後で見返したとき旅が蘇ってくるから良いものですね!!

No title

おはようございます♪そして、お久しぶりです♪

この記事を読んでて、すぐに思ったのは・・・
写真がどこでも自由にとれるんですね!
日本だと「撮影はご遠慮下さい」とよく書かれているけど、
撮れるところが多いと、その分、後での楽しみも増えるので嬉しいですね!

ペンネも美味しそう!!やっぱり、日本で食べる味と違うんですね!
食べてみたいなぁ~♪ほんまもんのトマトソースとクリームソース☆

300歩の階段はスゴイですね(笑)
でも、山登りと一緒で頂上の景色は目に焼き付けたい景色ですね!
登るとき、壁なのがツライけど(笑)

建物は、本当にすごいデザインですね~

***
日本よりの治安のいいところもあるんですね!
そういう情報を教えてもらえると嬉しいです♪
ありがとうございます<(_ _)>

ナポリタン!
落合シェフが教えてくれたのも美味しくて好きなのですが、
昔ながらの喫茶店で食べるナポリタンも家で作りたいものです♪
喫茶店のナポリタンは、美味しいですもんね♪
***

Re: No title

鳶色の招き猫 様

こんばんは。
ローマでは撮影禁止は少なく、大切な物の保存のためのフラッシュ禁止が多かったです。写真をあとで見返すと旅がよみがえってくるので、ありがたい制度ですね。
イタリアのトマトソースは、味が濃くってとても美味しかったです。あの味の再現をと思っても、同じ味は出来ませんでした。風土が違うから味が違うのは当然なんでしょうが、もう一度食べたい味です。
治安も問題なく、旅人に優しい町でしたので、また訪れたいと思っています。

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プロフィール

ふとかつ

Author:ふとかつ
平凡な日々を記録してして自分の変化を再発見したいと思いブログをはじめました。

大好きな旅行、お酒、美味しいもの、料理、主人の趣味に付合い始めた自転車でのポタリング、その他なんでも気になることを徒然なるままに書き留きめていきたいと思っています。

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