『鎌倉・太平記めぐり』 ウォーキング

最近の我が家のお気に入り本は、吉川英治さんの『私本太平記』です。
鎌倉幕府の終焉から足利幕府の成立までの物語となります。調べてみたところ、鎌倉には関連する史跡がたくさんあるようです。気候もようやく涼しくなってきたところで、史跡めぐりのウォーキングにお出かけしました。

東京から一時間ちょっとかけて、北鎌倉駅にやってきました。ここからウォーキングを開始します。

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太平記というのは足利尊氏が鎌倉幕府を滅ぼすお話なので、鎌倉では完全にアウェー扱いです。
そのため、今まで聞いたことのなかったマイナーな?スポットをめぐる旅になりそうです。

最初に訪問したのは『長寿寺』です。ここには、尊氏の遺髪を収めた鎌倉のお墓があります。
非公開の時期ではありますが、訪れる人もまばらで、とても天下人のお墓があるとは思われません。

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長寿寺の前から大通りを外れ、坂道を登っていきます。
しばらく進むと、鬱蒼とした山道となりました。この道が『亀ヶ谷切通』です。
鎌倉の切通とはよく聞きますが、歩いてみるのは初めてです。雰囲気がある道です。

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切通を抜けて、『浄光明寺』に到着です。
後醍醐天皇から追討令を出された尊氏が、出家して引きこもり恭順の意を示したお寺です。
しかし、お寺の説明版には尊氏の「た」の字もありません。想像以上にアウエーです。。。

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ここから源氏山に向かいます。先ほど以上の山道に差し掛かりました。
街歩きのつもりで来ていたら、ほとんど登山のような状況になってきました。

この坂が『化粧坂』で、新田義貞の鎌倉攻めの際の激戦地です。
なんとなく風情のある名前だと思っていましたが、「敵の武将の首を検分する際に化粧をした」という由来を聞いて驚きました。

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化粧坂を登りきり、源氏山の上に出てきました。ここには有名な源頼朝の像があります。
尊氏に滅ぼされた鎌倉幕府の創始者ですが、一方では源氏の尊氏の祖先でもあります。
さすがに、我がもの顔で鎮座されています。

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源氏山にやってきた目的は、頼朝ではありません。こちらの『日野俊基墓』です。
日野俊基卿は後醍醐天皇に仕えた討幕の首謀者ですが、事破れここ「葛原が岡」で斬首されました。

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この地には、俊基卿を祀った『葛原岡神社』が建てられています。
後醍醐天皇に仕えて非業の最期を遂げただけあって、尊氏とは真逆の扱いです。
とはいえ私本太平記では初期の主要人物の一人でしたし、私も好きな登場人物でしたので、お参りをさせて頂きました。

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ここ源氏山(葛原岡)からは富士山が見えるようで、なぜか英語の看板がでていました。
目を凝らしてみましたが、どうやら雲の彼方のようです。

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ここで本題から外れて、ちょっと寄り道します。源氏山の中腹にある『銭洗弁財天』です。
境内に湧く泉の水「銭洗水」でお金を洗うと、お金が何倍にも増えるといわれている、ありがたい神社です。

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何倍にも増えてほしいので、迷わず一万円札を洗います。
このお金はとっておかずに、使ってしまうのが良いそうです。さっそくパーッと使いたいと思います。

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ここまでで前半終了、これからお待ちかねのランチです。
鎌倉駅近くの『灯り』にやってきました。ここは一昨年の「鎌倉・江の島ぶらり観光」でも訪れたお店です。

人気店のようで、1時頃に訪れましたが満席で、少し待って席に着きました。メニューは悩みましたが、前回と同じアジフライと鶏の唐揚げにしました。アジフライは大ぶりな柔らかい身に梅と大葉が巻き込んであり美味しいです。ボリューム満点ランチで、午後からのウォーキングに備えてパワーをチャージしました。

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すっかり膨らんだお腹を抱えながら、ウォーキングを再開します。ここは『東勝寺跡』です。
今ではすっかり荒地になっているこの場所こそ、「鎌倉幕府滅亡の地」なのです。

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東勝寺跡のその奥に、ひっそりと『北条高時腹切りやぐら』がありました。
新田義貞の鎌倉討ち入りの際に、執権・北条高時ら一門870名余りは菩提寺である東勝寺に逃げ込み防戦しましたが敗れ、自ら寺に火を放って次々に自害したそうです。

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東勝寺跡の近くに『宝戒寺』があります。
このお寺は、北条氏の屋敷跡に菩提を弔うために建てられたお寺です。

尊氏が建てたお寺のようですが、案内板には「後醍醐天皇が尊氏に命じて建てさせた寺」と書かれています。とことんまで脇役扱いのようですね。

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ここからは少し長い距離を歩きます。足が重たくなってきたところで『鎌倉宮』(大塔宮)に着きました。後醍醐天皇の皇子である護良親王(大塔宮)を祀った神社です。

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この護良親王も私本太平記の主要人物の一人で、皇子とは思われないほどの行動力を見せた人物です。最終的には尊氏に破れて、この地で処刑されてしまいました。

有料エリア内にあるこの土牢が、その舞台だそうです。(ちょっと怪しい気もしますが…)

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こちらは「厄割石」といって、大きな石にかわらけを投げつけることで厄を割ってくれるそうです。
何やら思うところがあるのか、主人がやらせて頂くことにしました。

願いを込めて投げつけたところ、あろうことかかわらけは割れませんでした!
慌てて投げなおして、無事に「厄」を割ることができましたが、微妙な雰囲気になってしまいました。

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そして最後の目的地に向かいます。5分ほど歩いた先にある『護良親王墓』です。
こちらの案内板には、「尊氏の奸策に遭い捕えられ」云々の記載があります。
読者にとってヒーローのはずの尊氏ですが、徹底的に逆賊扱いです。さすがに私も気の毒になってきました。

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お墓に参るためには、かなりの高さの石段を登らなければなりません。
なんとか頑張って登りましたが、残った体力を使い果たしてしまいました。

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この後は鎌倉宮まで戻り、バスで鎌倉駅まで戻ることにしました。(もう歩けませんでした)
駅に戻った後は一服します。歩いた後の冷たいビールは最高です!!

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休憩を終え、体も冷えたところで、夕暮れの鎌倉駅から東京に向かいます。

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太平記の足跡をたどりながら、歴史上の人物の思いが史跡に残っているような気になりました。
これまでの鎌倉では、漠然と有名な観光地を巡っていましたが、テーマに沿って歩く方が楽しい町だと気が付きました。
今日のウォーキングでも再訪するテーマをみつけたので、次回を楽しみに家路につきます。

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テーマ : 歴史・文化にふれる旅
ジャンル : 旅行

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No title

お疲れ様でした。
近くに住んでいながら、全く知らない世界でした。
鎌倉時代に興味が無いというか、鎌倉を歩くのが昔から何だか・・・で。。。
でも、嫌でも関連した場所がすぐ近くに点在して居る所に住んでいると
ちょっとだけ興味は湧くんですよ、これでもね^^
朝比奈の切通しを歩いてみたいかな~的な感じはあるのですが、
車で走ってもその急な道に無理だと最初から思っているのも確か(!)。
山道なのが鎌倉なのですよね。
歴史好きにはその山道こそが、鎌倉時代を堪能出来るのでしょう。

Re: No title

サラーム様

こんばんは。
この日は10㎞くらいのウォーキングでしたが、残暑が厳しくてかなり疲れました。
鎌倉は古都だけのことはあって、奥が深そうですね。今回のようにテーマを持って歩くと、楽しさも倍増でした。
サラームさんは、お近くなんですよね。もう少し季節が良くなったら、歩かれてみると新しい発見とかあって楽しめると思いますよ~。朝比奈の切通もハイキング気分で歩いてみたいです!

No title

こんにちは。
銭洗い弁天ではみなさんお札も洗われるのですよね。
私は小銭しか洗ったことがないので
小銭もちです(笑)

Re: No title

あかちん 様

こんばんは。
銭洗い弁天で洗ったお金は使うと仲間を連れて帰ってくるということを知らずに、これまでは大事にしまっていました。どうりで長年に渡り、御利益を感じることがありませでした。
今回は使いますよ!小銭も使っているうちに何倍にも増えて、小銭持ちから大金持ちになれると思いますよ!!
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ふとかつ

Author:ふとかつ
平凡な日々を記録してして自分の変化を再発見したいと思いブログをはじめました。

大好きな旅行、お酒、美味しいもの、料理、主人の趣味に付合い始めた自転車でのポタリング、その他なんでも気になることを徒然なるままに書き留きめていきたいと思っています。

※当ブログはリンクフリーです。

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