ローマ 「遺跡巡りの旅」 その1
待望のローマ旅行出発の朝がやってきました。
ウキウキ気分で朝食を食べている最中に主人が声も出さずに変なポーズで固まっています。
もしかして!?と悪い予感がしました。予感的中で「プチぎっくり腰」です。
主人は腰痛持ちで、これまでにも何度か経験があるようですが、相当痛そうです。
とはいえ予定を変えることも出来ないので、私がスーツケースを二つ持ち、痛み止めを飲んで湿布を貼った主人は、とぼとぼと這うようにして成田へ向かいました。
この分では先が心配ですが、なるようになるしかなりません。
アリタリア航空に乗り込み、客室乗務員からボンジョルノと声を掛けられビールやワインを楽しんでいると、すっかり旅気分です。
隣の主人は口数が少ないですが、なんとか大丈夫のようです。
ウトウトしてるうちに19時頃にローマへ到着しました。
今日からら6泊するホテルはこちら、ローマの交通の中心のテルミニ駅近くにある『HOTEL REX』です。

こじんまりとしたヨーロッパタイプのホテルです。JTB御用達のため、日本人宿泊客が多いようです。
私たちの部屋はというと、広くはないものの、天井が高くてゆったりした気分になれます。
6泊もするので、部屋がよくなかったらどうしようかと心配していましたが、これなら安心です。結構気に入りました。
到着が夜なので(ホテルの写真は昼ですが)、初日はとくに外出することもなく、ゆっくり休むことにします。
それにしても、主人の様子が心配です。明日はちゃんと動けるのでしょうか・・・?
翌朝になりました。
主人はというと、昨日よりはだいぶいいようで、どうやら普通に歩けるようになっています。これで一安心です。
今日は、さっそく『コロッセオ』から『パラティーの丘』、『フォロ・ロマーノ』を周る、古代ローマ遺跡の黄金コースを辿る予定です。ガイドブックによると、相当長距離を歩くようですし、なによりもローマは暑い!!いきなり大丈夫なのでしょうか。
とにかく出発です。
観光に先立ち、「ローマパス」という割引券を購入しました。一人23ユーロで、市内のバス、地下鉄、トラムに3日間乗り放題で、最初の2箇所の入場が無料、その後は3日間半額になるという優れもののチケットです。
まずは、ホテルの最寄のテルミニ駅から地下鉄でコロッセオ駅に向かいます。
薄暗いホームで待っていると、地下鉄がやってきました。驚いたことに、車体中が落書きで一杯です。この状態で走ることは日本では考えられません。一瞬ひるみましたが、みな普通に乗っているので、私たちも乗り込みました。
コロッセオ駅では多くの観光客が電車を降ります。駅からでると、目の前に『コロッセオ』が迫ってきました。すごい迫力です!
2000年近くも前の建物が、今でも立派に建っているということ自体、日本人の私には思いもよりませんが、とにかくすごい迫力です。

ローマパスを使って入場しました。コロッセオの入場券売り場は長蛇の列なのですが、パスを持っている私たちは並ばずに入ることができました。(旅行される方にはお勧めです)
内部に入り、エレベーターで3階に登ります。中から見るとやはり大きいです。石で出来た東京ドームといった印象です。
博物館にもなっている回廊を通り、下の階に降りてきました。
ここが闘技場の床にあたる部分です。床板がなくなっているので、地下部分がむき出しになっています。
以前は、この地下からエレベーターに乗って剣闘士と戦う猛獣が上がってきていたそうです。
当時の熱狂の様子が目に浮かびます。

次はパラティーノの丘に向かいます。
コロッセオを出たところに立派な門がありました。『コンスタンティヌスの凱旋門』です。
ローマでは、皇帝の戦勝を記念した、このような凱旋門がいくつかあるのですが、その中でもこれが最大のものだそうです。

『パラティーノの丘』にやってきました。
この丘は、コロッセオやフォロ・ロマーノを見下ろす高台で、皇帝や有力貴族が邸宅を構えた場所です。私にはよく分からないのですが、主人が行きたいというので行ってみることにします。
丘の上には古代の屋敷跡がいくつもありました。それにしても暑い!私はだんだん観光どころではなくなってきました。
そんな私でも、ここは気に入りました。

アウグストゥス(オクタヴィアヌス、ローマ初代皇帝)の家の跡です。しかも内部に入ることが出来ます。
家の壁には、当時のままの鮮やかなフレスコ画が残されています。
以前、中国の西安にも行ったのですが、その時の「秦の始皇帝」の贅沢振りと比べると、ローマ皇帝の家はずいぶん質素だな、と思いました。
丘をひと回りし、ちょうどフォロ・ロマーノを見下ろすテラスにでました。眼下にフォロ・ロマーノの遺跡群が広がっています。

『フォロ・ロマーノ』とは、古代ローマ時代の市民集会や裁判、商業活動や政治討論の場として設けられた公共広場で、古代ローマの中核の場所です。今でもよく使う「フォーラム」という言葉の語源でもあるそうです。
フォロ・ロマーノの中には、先ほどのような凱旋門や、神殿、演壇、ホール、等が残されており、今では教会として使われている建物もありました。
これは当時の円柱が残っている「サトゥルヌスの神殿」です。この地下には国家の財宝が収められていたそうです。

主人は腰のことは忘れたかのように、生き生きとしているのですが、私の方はもう暑さでヘロヘロになってきました。どこか涼しいところでお茶でも飲みたいのですが、日本と違ってそんなものはほとんどありません。
ようやくフォロ・ロマーノの端まで来ました。そのまま坂を上ったところが「カピドリーノの丘」です。
この丘の上には『カピトリーニ美術館』という有名な美術館がありました。
美術館なら冷房が効いているのでは?という不純な動機で入ってみることにしました。ここでもローマパスで入場しました。
私はよく知らなかったのですが、ここには結構有名なものが展示されていました。
これは「マルクス・アウレリウス帝の騎馬像」です。高校時代の世界史の教科書に載っていたと主人が言っています。(あったようななかったような・・・?)

こちらは、狼に育てられたという伝説を持つ、ローマを建国したロムルスとレムスの像である「カピトリーノの雌狼」です。こちらも教科書でお馴染みだそうです。(うーん・・・)

これ以外にも、「瀕死のガリア人」という有名な彫刻もありました。
私も少し勉強してくれば良かったかなと思いました。
美術館の中の展望所から、フォロ・ロマーノの全景を眺めてみました。
奥にコロッセオ、右手にパラティーノの丘が広がっています。

涼んで落ち着いたら、お腹が空いてきました。そろそろお昼にしたいと思います。
カピドリーノの丘を下りたヴェネティア広場の近くにある「BIBO」というピッツェリアに入ってみました。

ビールとツナサラダ、ナポリ風ピザを注文しました。渇いた喉にビールが美味しい!!
ピザも美味しくて大満足です。
本日の観光の予定はここまでだったのですが、困ったことにお腹が満たされるとまた元気が出てきました。
近くに「パンテオン」や「ナヴォーナ広場」があるとのことなので、ついでに回ってみることにしました。
パンテオンに向かう途中に何気なく立ち寄った「サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会」というところに、さりげなくミケランジェロの彫刻があったり、さらにここがガリレオ・ガリレイの「それでも地球は回っている」で有名な裁判が行われた場所だったりで、ビックリしました。
何でもなさそうな場所が実はすごい、というのがローマの魅力かもしれません。
いよいよ『パンテオン』です。
パンテオンは現存するローマ建築のもっとも完全な遺構であり、世界最大の石造り建物だそうです。元はすべての神々に捧げられた神殿で、現在ではキリスト教の教会になっています。
1900年も前に建てられた建物なので、コロッセオやフォロ・ロマーノの他の建物と年代はあまり変わらないのですが、このパンテオンはまさに完全な形で残っています。これは驚きです。

内部は教会になっており、ルネサンス期の三大芸術家の一人、ラファエロのお墓もあります。
天井から差し込む光がきれいです。これ以外に照明はないそうです。

パンテオンを後にして、本日最後の目的地『ナヴォーナ広場』に到着です。
大道芸を披露したり、音楽を演奏している人々がいて、陽気な雰囲気が思わず踊り出してしまうような気分にしてくれます。
ナヴォーナ広場は、競技場の跡地を広場にしたもので、ベルニーニの作による噴水で有名です。
最近では、映画「天使と悪魔」で、新法皇に選ばれた人物がテロリストに沈められた噴水という形で注目を浴びた場所です。

ローマには広場と噴水が多いのですが、こう暑いと噴水の涼しげな雰囲気は欠かせませんね。
ということで、ようやく初日の観光を終え、バスでホテルに戻ってきました。
帰ってシャワーを浴びたところで、二人して眠り込んでしまいました。
一度目が覚めたものの、結局夕食も取らずにそのまま休むことになりました。
病気でも、二日酔いでも食事を欠かしたことがない主人でさえ、そのまま眠ってしまったほどハードな一日目はこうして終了しました。
明日は少しのんびり目にヴァチカンを訪れる予定です。
つづく
【おまけ】
今回の旅の小道具はオムロン電子万歩計です!
鞄に入れておくだけで、歩数や距離、消費カロリー等を計算してくれる優れものです。
本日の歩数:21,029歩
歩行距離:15.77km
(時計が日本時間のままのため一日の途中で日が変わるので、本当はもう少し歩いています)
ウキウキ気分で朝食を食べている最中に主人が声も出さずに変なポーズで固まっています。
もしかして!?と悪い予感がしました。予感的中で「プチぎっくり腰」です。
主人は腰痛持ちで、これまでにも何度か経験があるようですが、相当痛そうです。
とはいえ予定を変えることも出来ないので、私がスーツケースを二つ持ち、痛み止めを飲んで湿布を貼った主人は、とぼとぼと這うようにして成田へ向かいました。
この分では先が心配ですが、なるようになるしかなりません。
アリタリア航空に乗り込み、客室乗務員からボンジョルノと声を掛けられビールやワインを楽しんでいると、すっかり旅気分です。
隣の主人は口数が少ないですが、なんとか大丈夫のようです。
ウトウトしてるうちに19時頃にローマへ到着しました。
今日からら6泊するホテルはこちら、ローマの交通の中心のテルミニ駅近くにある『HOTEL REX』です。

こじんまりとしたヨーロッパタイプのホテルです。JTB御用達のため、日本人宿泊客が多いようです。
私たちの部屋はというと、広くはないものの、天井が高くてゆったりした気分になれます。
6泊もするので、部屋がよくなかったらどうしようかと心配していましたが、これなら安心です。結構気に入りました。
到着が夜なので(ホテルの写真は昼ですが)、初日はとくに外出することもなく、ゆっくり休むことにします。
それにしても、主人の様子が心配です。明日はちゃんと動けるのでしょうか・・・?
翌朝になりました。
主人はというと、昨日よりはだいぶいいようで、どうやら普通に歩けるようになっています。これで一安心です。
今日は、さっそく『コロッセオ』から『パラティーの丘』、『フォロ・ロマーノ』を周る、古代ローマ遺跡の黄金コースを辿る予定です。ガイドブックによると、相当長距離を歩くようですし、なによりもローマは暑い!!いきなり大丈夫なのでしょうか。
とにかく出発です。
観光に先立ち、「ローマパス」という割引券を購入しました。一人23ユーロで、市内のバス、地下鉄、トラムに3日間乗り放題で、最初の2箇所の入場が無料、その後は3日間半額になるという優れもののチケットです。
まずは、ホテルの最寄のテルミニ駅から地下鉄でコロッセオ駅に向かいます。
薄暗いホームで待っていると、地下鉄がやってきました。驚いたことに、車体中が落書きで一杯です。この状態で走ることは日本では考えられません。一瞬ひるみましたが、みな普通に乗っているので、私たちも乗り込みました。
コロッセオ駅では多くの観光客が電車を降ります。駅からでると、目の前に『コロッセオ』が迫ってきました。すごい迫力です!
2000年近くも前の建物が、今でも立派に建っているということ自体、日本人の私には思いもよりませんが、とにかくすごい迫力です。

ローマパスを使って入場しました。コロッセオの入場券売り場は長蛇の列なのですが、パスを持っている私たちは並ばずに入ることができました。(旅行される方にはお勧めです)
内部に入り、エレベーターで3階に登ります。中から見るとやはり大きいです。石で出来た東京ドームといった印象です。
博物館にもなっている回廊を通り、下の階に降りてきました。
ここが闘技場の床にあたる部分です。床板がなくなっているので、地下部分がむき出しになっています。
以前は、この地下からエレベーターに乗って剣闘士と戦う猛獣が上がってきていたそうです。
当時の熱狂の様子が目に浮かびます。

次はパラティーノの丘に向かいます。
コロッセオを出たところに立派な門がありました。『コンスタンティヌスの凱旋門』です。
ローマでは、皇帝の戦勝を記念した、このような凱旋門がいくつかあるのですが、その中でもこれが最大のものだそうです。

『パラティーノの丘』にやってきました。
この丘は、コロッセオやフォロ・ロマーノを見下ろす高台で、皇帝や有力貴族が邸宅を構えた場所です。私にはよく分からないのですが、主人が行きたいというので行ってみることにします。
丘の上には古代の屋敷跡がいくつもありました。それにしても暑い!私はだんだん観光どころではなくなってきました。
そんな私でも、ここは気に入りました。

アウグストゥス(オクタヴィアヌス、ローマ初代皇帝)の家の跡です。しかも内部に入ることが出来ます。
家の壁には、当時のままの鮮やかなフレスコ画が残されています。
以前、中国の西安にも行ったのですが、その時の「秦の始皇帝」の贅沢振りと比べると、ローマ皇帝の家はずいぶん質素だな、と思いました。
丘をひと回りし、ちょうどフォロ・ロマーノを見下ろすテラスにでました。眼下にフォロ・ロマーノの遺跡群が広がっています。

『フォロ・ロマーノ』とは、古代ローマ時代の市民集会や裁判、商業活動や政治討論の場として設けられた公共広場で、古代ローマの中核の場所です。今でもよく使う「フォーラム」という言葉の語源でもあるそうです。
フォロ・ロマーノの中には、先ほどのような凱旋門や、神殿、演壇、ホール、等が残されており、今では教会として使われている建物もありました。
これは当時の円柱が残っている「サトゥルヌスの神殿」です。この地下には国家の財宝が収められていたそうです。

主人は腰のことは忘れたかのように、生き生きとしているのですが、私の方はもう暑さでヘロヘロになってきました。どこか涼しいところでお茶でも飲みたいのですが、日本と違ってそんなものはほとんどありません。
ようやくフォロ・ロマーノの端まで来ました。そのまま坂を上ったところが「カピドリーノの丘」です。
この丘の上には『カピトリーニ美術館』という有名な美術館がありました。
美術館なら冷房が効いているのでは?という不純な動機で入ってみることにしました。ここでもローマパスで入場しました。
私はよく知らなかったのですが、ここには結構有名なものが展示されていました。
これは「マルクス・アウレリウス帝の騎馬像」です。高校時代の世界史の教科書に載っていたと主人が言っています。(あったようななかったような・・・?)

こちらは、狼に育てられたという伝説を持つ、ローマを建国したロムルスとレムスの像である「カピトリーノの雌狼」です。こちらも教科書でお馴染みだそうです。(うーん・・・)

これ以外にも、「瀕死のガリア人」という有名な彫刻もありました。
私も少し勉強してくれば良かったかなと思いました。
美術館の中の展望所から、フォロ・ロマーノの全景を眺めてみました。
奥にコロッセオ、右手にパラティーノの丘が広がっています。

涼んで落ち着いたら、お腹が空いてきました。そろそろお昼にしたいと思います。
カピドリーノの丘を下りたヴェネティア広場の近くにある「BIBO」というピッツェリアに入ってみました。

ビールとツナサラダ、ナポリ風ピザを注文しました。渇いた喉にビールが美味しい!!
ピザも美味しくて大満足です。
本日の観光の予定はここまでだったのですが、困ったことにお腹が満たされるとまた元気が出てきました。
近くに「パンテオン」や「ナヴォーナ広場」があるとのことなので、ついでに回ってみることにしました。
パンテオンに向かう途中に何気なく立ち寄った「サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会」というところに、さりげなくミケランジェロの彫刻があったり、さらにここがガリレオ・ガリレイの「それでも地球は回っている」で有名な裁判が行われた場所だったりで、ビックリしました。
何でもなさそうな場所が実はすごい、というのがローマの魅力かもしれません。
いよいよ『パンテオン』です。
パンテオンは現存するローマ建築のもっとも完全な遺構であり、世界最大の石造り建物だそうです。元はすべての神々に捧げられた神殿で、現在ではキリスト教の教会になっています。
1900年も前に建てられた建物なので、コロッセオやフォロ・ロマーノの他の建物と年代はあまり変わらないのですが、このパンテオンはまさに完全な形で残っています。これは驚きです。

内部は教会になっており、ルネサンス期の三大芸術家の一人、ラファエロのお墓もあります。
天井から差し込む光がきれいです。これ以外に照明はないそうです。

パンテオンを後にして、本日最後の目的地『ナヴォーナ広場』に到着です。
大道芸を披露したり、音楽を演奏している人々がいて、陽気な雰囲気が思わず踊り出してしまうような気分にしてくれます。
ナヴォーナ広場は、競技場の跡地を広場にしたもので、ベルニーニの作による噴水で有名です。
最近では、映画「天使と悪魔」で、新法皇に選ばれた人物がテロリストに沈められた噴水という形で注目を浴びた場所です。

ローマには広場と噴水が多いのですが、こう暑いと噴水の涼しげな雰囲気は欠かせませんね。
ということで、ようやく初日の観光を終え、バスでホテルに戻ってきました。
帰ってシャワーを浴びたところで、二人して眠り込んでしまいました。
一度目が覚めたものの、結局夕食も取らずにそのまま休むことになりました。
病気でも、二日酔いでも食事を欠かしたことがない主人でさえ、そのまま眠ってしまったほどハードな一日目はこうして終了しました。
明日は少しのんびり目にヴァチカンを訪れる予定です。
つづく
【おまけ】
今回の旅の小道具はオムロン電子万歩計です!
鞄に入れておくだけで、歩数や距離、消費カロリー等を計算してくれる優れものです。
本日の歩数:21,029歩
歩行距離:15.77km
(時計が日本時間のままのため一日の途中で日が変わるので、本当はもう少し歩いています)